通勤などの移動や趣味といったように、多種多様な理由で自家用車を所有する人は多くいます。長く愛用し続ける人もいれば、デザインや機能を考えて直ぐに買い替える人もいるでしょう。そのような買い替えの際には、古くなった車を中古車売却に出すことが通常です。しかし、中古車の売却はなかなかあることではありません。いくつかの注意点を意識しなければ損をすることもあるので、中古車売却時の注意点を紹介します。
中古車売却の流れを知る
車売却をトラブルなくスムーズに行うためには、まず車売却に至るまでの流れをあらかじめ知っておくことが重要です。この流れを知っていなければ、車買取業者との間でのやりとりが滞り、トラブルへとつながりかねません。車売却に至るまでの流れは、おおよそ4つの段階に分けることができます。その4つの段階とは、車買取店の選定と車査定にはじまり、必要書類の準備、車売却の契約と車両の引き渡し、入金確認のことです。
車買取店の選定と車査定
車の売却を決心したならば、まず車の買取りをしてもらう業者を選ばなければなりません。買取業者は、買い取りの基準や査定の基準がそれぞれ異なっているほか、担当者との相性もあるので、口コミや評価などを参考にして選ぶとよいでしょう。そのうえで、持っている車の査定をしてもらいます。査定は、年式や車種、車の状態などから中古車買い取り業者のスタッフが行うものです。出張査定や持ち込み査定などがありますが、基本的には業者の指示に従っていれば問題ありません。
必要書類の準備
車売却には様々な書類を準備して手続きをしなければなりません。これらの書類をあらかじめ準備していると、スムーズに手続きが進みます。車検証をはじめとして、自賠責保険の証明書、自動車税納税証明書、印鑑登録証にリサイクル券などが必要です。準備できないときは、市役所や陸運局、保険会社などに問い合わせてみるとよいでしょう。
車売却の契約と引き渡し
査定額に納得し、必要書類を準備することができたならば、売却の契約を結び、車を引き渡します。車内の荷物を下ろすとともに、ドライブレコーダーなどの個人情報を削除することが必要です。
入金確認
車の引き渡しを行った後、業者から入金がされるかどうかを確認します。店舗によってどれだけの期間で入金されるかは異なるので、確認しておくとよいでしょう。
売却に関する注意点
車を売却する際には、いくつかの注意点があります。その注意点は、買取業者に関することと契約についてが中心です。注意点を守らなければ、金銭的に損をすることがあるほか、トラブルに長く悩まされる可能性もあるので、あらかじめ確認しておくことが重要となります。
車査定と車買取業者の選定
車売却の初心者が良くしがちなミスのひとつが、実際の価値よりもはるかに安い価格で車の査定をされてしまい、それに疑問を持たないまま買取業者に売却してしまうというものです。このミスをしないためには、あらかじめ車の売却価格の相場を調べるとともに、買取業者の選定をしっかりと行うということが必要となります。ある程度買取り価格の相場を知っていれば、交渉する際にも便利です。査定の基準は、各買取業者によってそれぞれ異なることもあるので、ひとつの業者だけに査定を依頼するのではなく、複数の業者に依頼をして、その中から良いと思う業者と契約をするとよいでしょう。また、価格だけではなく、細かな質問にも答えてくれる、相性が良いなどといったスタッフとの関係性で選ぶことも納得のできる車売却へとつながります。
必要書類の準備
車の売却には様々な書類が必要です。車検証などの書類は車に入っているものと思い込んで確認しない人もいますが、契約前の土壇場になってないとなると手続きが滞ってしまいます。書類を取り寄せている間に、査定基準が変わってしまうこともあり、その場合は査定時の金額よりも安い価格で売却することになってしまいかねません。
契約後のキャンセルには注意
内容を吟味したうえで契約したとしても、やはり取りやめたいと思う人はいます。しかし、契約した後のキャンセルはトラブルのもとになるので注意が必要です。場合によってはキャンセル料を取られることもあるでしょう。業者によってはキャンセルの猶予期間もありますが、すべての業者でそうとは限りません。あらかじめキャンセルに関する規定を確認するとともに、契約後のキャンセルはできるだけしないことが重要です。
入金に関するトラブル
一部の業者の中には、売却後に査定額を減額される、入金がなかなかされないといったトラブルを引き起こす業者があります。売却時に査定基準が変わったといった理由や修理歴が見つかったといった理由をあげることもありますが、契約後の価格の引き下げに応じる必要はありません。勝手に減額されないように、あらかじめ業者に確認することが重要です。また、車を引き渡してしまった後に、なかなか入金をしないといった業者もいます。入金を渋ることで誤魔化そうとする手口もあるので、入金が確認された後に引き渡すか入金予定日をあらかじめ確認するとよいでしょう。
保険に関する注意点
自家用車に乗っている人は、必ず保険に加入しなければなりません。自賠責保険には全員が加入し、人によっては任意保険にも加入しているでしょう。この保険に関しても、中古車売却時には注意が必要です。
自賠責保険の解約と還付
自賠責保険は、車を売却したとしても自動的に解約されるというものではありません。売却した際に自賠責保険の解約を忘れずに行う必要があります。また、自賠責保険の保険料は、車検期間に一括で支払うものですが、車検後すぐに売却した場合ほぼ使用しないことになるので、保険の残り期間に応じて還付されるものです。こちらの手続きも忘れずにするとよいでしょう。
任意保険の解約
任意保険は自分で解約手続きをしなければ、そのまま満期まで保険料を支払い続けることになってしまいます。場合によっては不必要な出費を続けることになるので、忘れずに解約するように注意が必要です。
注意点を守り損をしない売却を
車の売却は、決して低い金額の取引ではありません。いい加減に決めてしまうと損をすることになるでしょう。業者選びから始まり、書類の準備、契約に関する確認、保険に関する手続きなどといった注意すべき点はいくつもあります。逆に注意点を守れば、スムーズに納得のできる車売却となります。注意点を守り、損をしない車売却をしてください。